7月 2010
一昨日のブログでも幾つかの指摘をしたが、以上の理由からしても、山田大臣が「特例を認めない」とする理由は、これらの根拠からだけでは甚だ乏しいと言える。つまり、「特例を絶対に認めない。殺処分ありき!」という断固たる姿勢を貫くには、他にも理由があるとしか考えられない。ならば、他の理由とは一体何か?
①・・・今回の口蹄疫対策は現政権においては、絶対に失敗出来ない施策であった。わずか2週間の間に二人の首相が形だけでも現地入りし、また各関係閣僚が悉く現地を訪れたことでもそのことは伺える。
「政治とカネ」「普天間問題」等の失政・失態に加え、口蹄疫対策の失敗は政権の根幹を揺るがしかねない、謂わば、下手すると命取りになる可能性も否定出来ない。
アメリカの原油流出事故等もそうであるが、この手の失策は直接政権運営に支障を来すことになり兼ねない(まぁ、アメリカは、こういうケースは国家の責任・威信において対応していることだけでも偉いが・・・)。
②・・・国としては、今回の口蹄疫に対する責任は出来るだけ回避し(場合によっては、自治体や当事者等に出来るだけ責任転嫁し)、国家防疫・国家危機管理対策として封じ込めに成功した実績と危機に強い政権というイメージを作る必要が(選挙のためにも)あった。それが、「政治とカネ」等で失墜した国民からの信頼を勝ち取る手段でもあった。
③・・・一方、特に大臣がコロコロ変わる農水省においては(というか誰も大臣をやりたがらない農水省においては)、いつ大臣が変わっても行政運営・機能には影響無いような強固・安定・複雑怪奇な組織体(ステルス)を作っておく必要がある(まぁ、これは全ての省庁に当てはまるが)。ただでさえ、ヤミ専従等の問題や各利権等が指摘され、最も魑魅魍魎が跋扈し、一筋縄ではいかない鬼門の省庁と言われている農水省である。その農水省所管内で今回の口蹄疫が発生した。
その農水省相手に、当時の副大臣として、そして大臣として、山田氏はどういう采配・行動を取る必要があったのか?
④・・・また、現政権における農家個別所得補償制度等は、それまでの農業政策(大規模化・集約化)を大きく方向転換する政策であった。「その個別所得補償制度は僕が作った」と言って憚らない人物が新大臣に就任した。因みに、山田氏は小沢派で、以前、中国や韓国から子牛を輸入し、一大畜産地帯を造る構想を持っていた。
農水省としては、政権交代する度に、或いは大臣が変わる度に農業政策がコロコロ変わることは、国内就農者は元より、国家食料安全保障や国際的信用の見地から言っても避けたい。農業(食料安全保障)はあくまで長期的・大局的見地が必要不可欠である。ただでさえ、この国の国家的食料安全保障に関する危機意識は、今回の口蹄疫の危機意識と同じく、大きく欠如しているという指摘がある。
しかし、農業団体等との微妙な関係性もある中、政策は方向転換され、そんな中で今回の厄介な口蹄疫が発生した。・・・・・・・・・
・・・・・・・・立場上、余り突っ込んでは書けない。あくまで上っ面なことしか書けないが、上記①+②+③+④等を参考・ヒントに、山田大臣が「民間種雄牛の6頭はとにかく殺せ!」と譲らなかった他の理由を皆様に推察して頂きたい。